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誤爆ねーさんの雑記帳(という名のツイート置き場)。共有テンプレがちょこっと残ってます。

そーどあんどそーさりー
「はじめて会った時の事、覚えてる?」
フェイヨンの、人通りの少ない丘の上。
ひんやりと涼しい木陰、木の種類の関係なのか虫もいない。
そこで彼の膝枕をしてもらっていたら、頭をナデナデしながら聞かれた。
寝そうになるのを邪魔されたけど、ぜんぜん不快じゃなかった。
「ここで?」
「そう・・・ここで」
ここは、彼と出会った場所・・・それ以来、会うようになった場所。
顔を彼の膝に押し付けてみた、ぽかぽかお日様の香りがする。
眠気に、引き込まれそうになる。

彼と、初めて会った時・・・

その魔術師(ウィザード)は、私のお気に入りの場所に座って本を読んでいた。
最初は、人がいることに驚いた。
そして、だんだん寂しくなった・・・
自分の場所という意識が、知らない間にあったらしい。
「・・・どうかしましたか?」
その魔術師に、声をかけられてビックリした。
なんだかずっと聞いていたいような、深くて優しい声だった。
「え?」
ビックリしている私をまっすぐ見つめ、魔術師は本を閉じた。
「とても、悲しそうな顔をしてますよ?」
緑色の髪、深い色の瞳・・・優しい表情。
「えっと・・・その場所にアナタがいたから・・・」
つい正直に答えてしまった自分に、自分でビックリする。
「気持ちのいい場所だったので・・・おじゃましてしまいました」
そう言ってその人は立ち上がり、場所を譲ってくれようとした。
「いやっ、いいんです。・・・いいんです・・・そこに居てくださいっ」
私は罪悪感を覚えて、思わず声を大きくした。
勝手に『自分の場所』だと感じていただけで・・・
そんなのは、私のワガママなのだから。
その人が、そこに居るのを妨げる理由なんか無い。
「そうですか?じゃ・・・ご一緒させてもらいますね」
魔術師は、私が座る分のスペースを空けて横にずれてくれた。

「あの時は・・・『この人は天然に違いない』て、思ったよ」
私のちょっとイジワルな物言いに、彼は苦笑いで応える。
「都には、負けるけどね・・・」
「むぅ・・・」
『天然』か、『天性のナンパ師』かのどっちかだと思ったなんて・・・
彼に言ったら、どんな顔をするだろうか。

せっかく場所を空けてくれたのを、座らないのも悪い気がしたので素直に隣に腰掛けた。
ふたたび本を読み出した彼に習って、私も持ってきた本を読む事にした。
本当は、昼寝のマクラ用に持ってきた本だったのだが・・・

『ぐぅ・・・きゅるきゅるきゅる・・・』
しばらくして・・・盛大に、お腹の音が鳴った。
「あうっ」
真っ赤になって、隣の魔術師を見ると・・・くすくすと笑っていた。
「お腹、空いたんですか?」
「ええっと・・・ちょっとだけ・・・」
いつもはこんな事無いのに、なんで今日に限ってこんな事に・・・
情けなくて、涙が出そうだった。
「残念ながら、食べれるような物は持って無いんですよ」
魔術師は、心底申し訳なさそうに言う。
「いいんですよぅ・・・倉庫のアイスを持ってくれば、良かった・・・」
今朝カプラサービスの倉庫に預けたばかりの、大好物のアイスを思い浮かべてうらめしく思う。
「アイスクリーム、お好きなんですか?」
「はい、大好物なんです」
アイスクリームを初めて食べた時から、その魅力にすっかり参っている。
冷たくて、甘くて・・・不思議な食べ物。
「では・・・いい場所を共有させていただいた、お礼に・・・」
魔術師は、パタンと本を閉じて立ち上がる。
「ちょっとした、かくし芸ですけどねw」
魔術師は、両手を前に出す・・・
瞳の色が、変わったような気がしたのは気のせいだろうか・・・?
一瞬、空気が冷たくなったような気がした。
彼の前に出した両手の中に現れたのは・・・白色の?
「あ・・・お皿、用意するの忘れてました・・・ビンでもいいですかね?」
その白いものをビンに入れて、渡された。
「・・・アイス?」
「はい、アイスクリームですよ」
にっこり笑った魔術師が、神さまのように思えた。
「す・・・すごーーいっ、すごいすごいっおにーさん、すごーーいっ!!!」
「そんなに喜ばれると、作ったかいがありますね」
照れくさそうに笑った、おにーさんの顔が今までで1番印象的だった。

「しかし・・・いい音だったよね?お腹の音・・・」
思い出したように、くすくす笑う彼。
「う・・・もう忘れようよ、それ・・・」
「でも・・・あの音のおかげで、都とたくさんお話出来たからね」
そう言われて・・・ちょっと聞きたくなる。
「おしゃべりする気が、最初からあったの?」
「うん。・・・都と、お話できたら楽しそうだと思ったよw」
そう言われると、なんだか照れくさくなる。

アイスを一緒に食べてから、なんとなく一緒に座っているのが楽しくなった。
少しして、おにーさんが本を閉じて立ち上がる。
「そろそろ、おいとましますね」
「・・・え、そうなんですか?」
行ってしまうと思ったら、名残惜しくなる。
ひきとめたくなる気持ちもあるけれど、さすがにそういうわけにもいかないだろう。
「お嬢さんは?いつも、ここに来ているんですか?」
「えっと、週に2回は・・・」
『お嬢さん』と呼ばれた事に焦りながら、応える。
「では、また来てもいいですか?」
「・・・え?」
「ご迷惑じゃなければ・・・ですけど?」
『また会いたい』っと、純粋にそう思ったけど・・・
出てきた言葉は・・・
「えっと・・・また、アイス作ってください」
「そんなに、気にいったんですか?じゃ、また作りますね」
うれしそうな笑顔を見ていたら、素直に『会いたい』って言えば良かったかなって思えた。

「本当は、アイスよりもおにーさんに会いたかったんだけどね・・・」
今更のように、ぼそっと言ったセリフを彼は聞いているのか聞いていないのか・・・
私の頭を、優しくナデナデしてくれた。

それから週に2回おにーさんに会うようになった。
おにーさんはとても聞き上手で、私の話をどんどん引き出してくれる。
お互い色々な、話をした。
1番ビックリしたのは、おにーさんの年齢を聞いた時だった。
「29ーー??!!」
「何も、そんなにビックリしなくても・・・見えませんか?」
「20代前半くらいかと、思ってました」
まさか、自分とひとまわりも違うなんて・・・

ついつい調子にのって、失恋の話なんかもしてしまったら
・・・おにーさんにとっても悲しそうな顔をさせてしまった。
「大事な人だったのに、振られてしまったのは・・・さぞ、悲しかったでしょうね」
「あわわわ・・・そんな、悲しそうな顔しないでください」
過去は過去、今は今。
「今は、こうやっておにーさんに会えますからw」
「・・・っ」
深く考えずに言った私の言葉に、赤くなるおにーさん。
自分の言った言葉の意味を、後で理解して真っ赤になる私。
おにーさんが、今の私にとって特別な存在だって自覚した。
「これからも、会えますか?都?」
「・・・うん」
『抱きつきたい』そう思った。
おにーさんに、抱きついて甘えたい。
でも・・・さすがに、それは・・・
もじもじしていたら、おにーさんと目が合う。
目が合った途端、優しく微笑まれてしまった。
「都・・・おいで・・・」
両手を広げてくれる、おにーさん。

初めて抱き合った時のあたたかさは、今でも覚えている。
おにーさんも私の事、大切に思ってくれてるって身体で感じた。

「都?寝ちゃった?」
「ん・・・大丈夫・・・」
ごろんと寝返りをうって、彼の顔を見上げる。
すっごく優しそうなその顔は、初めて会った時から変わらない。
「・・・明日から、ちょっと遠くに行かないといけない」
彼が、ぽつりと言った。
「しばらくは・・・ここには、来れなくなると思う」
「え?!」
ビックリして起き上がろうとすると、ごんっと音をたてて彼の頭に私の頭が衝突する。
眠気が、一気に覚めた。
「いっ・・・つ・・・?!!」
彼の頭は意外と頑丈で、こっちがビックリするくらいだった。
「・・・都も、けっこう石頭だね」
頭を抑えながら座り込んで、おにーさんは苦笑いする。
「それで・・・」
彼が、光るものを取り出す。
キラキラ日に光るそれは・・・
「銀の指輪・・・?え・・・?!」
「一緒に、来て欲しい」
そう言って、銀の指輪を渡された。
それって・・・それって・・・?!それって・・・!???
「え?!!えー・・・??!!えーーーー!!!??」
激しく動揺する私に、彼は困ったような顔をする。
「イキナリ言ったら、迷惑だったかい?」
「そんなこっ・・・えー??えーーー???!!」
うれしすぎて、言葉にならないってこう言う事・・・
動揺してしまって、うまく言葉にならない。
「あわわわわ・・・その、ペコペコの卵って、なんでピッキが生まれるんだろうね?ねぇ???」
何を言ってるのか、自分が自分で解らなくなる。
彼は、私の身体を引き寄せて・・・軽くキスをする。
「・・・ほぇ!?」
「都、僕と一緒においで」
「・・・はいっ」
涙が出た。
うれしい感情の行き場が無くて・・・涙にしかならなかった。
見ると・・・彼は、真っ赤になって顔をおさえていた。
つられて、こっちまで赤くなる。
「・・・なっ・・・なんで赤くなってるの?」
「・・・都も赤いよ・・・かわいいなぁ」
「・・・っ!??あう・・・おにーさんにつられただけだもんっ!!」

つられたように、空も赤く染まる。
そんな・・・フェイヨンでの出来事。
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